猫の混合ワクチンについて

A.ワクチン接種でどのような病気が予防できますか?

当院ではコアワクチンである3種混合ワクチン[パルボウィルス、カリシウィルス、ヘルペスウィルス]を使用しております。飼育環境により、猫白血病ワクチンの使用も推奨しており、猫白血病の予防にもなります。

※コアワクチン:すべての犬猫に接種するように勧告されているワクチン。
1.感染すると重病化する病気(パルボウィルス)
2.人の健康を害する危険があるもの
3.広く流行しており、容易に感染するもの(ヘルペス、カリシウィルス)


B.ワクチン接種はいつから打てますか?

3種混合ワクチンの接種(複数の伝染病の予防注射)

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仔猫は生後8週齢(生後56日)を過ぎていれば3種混合ワクチンを接種できます。3週間間隔で2回ワクチンを接種します。
仔猫は母猫からもらう初めてのお乳(初乳)の中に入っている「移行抗体」の影響で、ワクチンの効果が十分に得られず、しかも病気には感染してしまう期間(危険期)が必ず存在します。免疫力を強く維持するために、初めの年だけ3週間間隔で2回接種します。

仔猫だけでなくおとなの猫も、最後の接種を行ってから1年おきに追加の予防接種を行います。ワクチンによる免疫効果は残念なことに、初年度の接種だけで一生続くものではありません。

猫白血病ワクチンの接種
猫白血病の予防接種は、接種前に血液検査でウィルスに感染していないことを確認してから行います。生後9週齢(生後63日)を過ぎていれば接種できます。
ワクチン接種は混合ワクチンと同様初めての年は3週間間隔で2回接種し、以降年1回追加接種を行います。混合ワクチンと同時接種もできます。

C.猫白血病ワクチンはどのような子に必要ですか?

猫白血病は、感染猫とのケンカや濃厚接触にて感染するため、外出する猫、多頭飼育で感染猫がいる場合、ウィルス感染がハイリスクな仔猫が接種の対象となります。

D.当院のワクチンについて

当院の猫白血病ワクチンは、遺伝子組換え型ワクチンを使用しており、「移行抗体」を保有していても、早期に抗体力をつけることが可能というメリットがあります。

E.ワクチン接種後の注意事項について

[副作用]
ワクチン接種後に足に力が入らない、ぐったりしている、歯茎の色が接種後に比べてとても白くなっているなどの症状が見られたら、すぐにご相談ください。またアレルギー反応を起こして顔がはれる場合も有ります。しばらくすると治ることが多いですが、吐き気がある場合や、かゆみがひどい場合は治療を受けた方が良いでしょう。

[自宅での注意点]
ワクチンを接種すれば、すぐに免疫が出来るわけではありません。接種後2~3日は安静を心がけ、激しい運動や入浴・シャンプーは控えましょう。

[伝染病の潜伏期期間]
ワクチンを接種する前に、すでに伝染病に感染している場合、ワクチンの効果は間に合いません。
通常でもワクチン接種後2~3日は元気・食欲が少し落ちる場合がありますが、あまり容態が悪いときはすでに病気にかかっていた可能性がありますので診察を受けて下さい。