犬の混合ワクチンについて
A.ワクチン接種でどのような病気が予防できますか?
コアワクチン[パルボウィルス、ジステンパーウィルス、アデノウィルス1型]とノンコアワクチン[パラインフルエンザ、アデノウィルス2型、レプトスピラ]を接種することで以上に含まれる病気を予防できます。
また、レプトスピラ感染症は、人獣共通感染症という人にうつる病気であるため、予防が推奨されます。
※コアワクチン:すべての犬猫に接種するように勧告されているワクチン。
1.感染すると重病化する病気(パルボウィルス、ジステンパーウィルス)
2.人の健康を害する危険があるもの(狂犬病)
3.広く流行しており、容易に感染するもの
B.ワクチン接種はいつから打てますか?
混合ワクチンの接種(複数の伝染病の予防注射)
当院で使用している混合ワクチンは生後4週齢(生後28日)を過ぎていれば接種でき、最後の接種を生後12週齢(生後84日)以降に行うよう、3~4週間間隔で何度かワクチンを接種します。
仔犬は母犬かもらう初めてのお乳(初乳)の中に入っている「移行抗体」の影響で、ワクチンの効果が十分に得られず、しかも病気には感染してしまう期間(危険期)は必ず存在します。危険期のリスクを最小限にするために3~4週間間隔で予防注射を2~3回接種します。
生後12週齢以上またはおとなになってから初めて混合ワクチンを接種する場合は、初めの年だけ3~4週間間隔で2回接種します。
子犬も大人の犬も、最後の接種を行ってから1年おきに予防注射を行います。ワクチンによる免疫効果は残念なことに初年度の接種だけで、一生続くものではありません。
C.当院のワクチンについて
当院のワクチンはアジュバンドという薬物の増強物質が含まれていないワクチンを選択しており、副作用の軽減を図っています。
D.ワクチン接種後の注意事項について
[副作用]
ワクチン接種後に足に力が入らない、ぐったりしている、歯茎の色が接種後に比べてとても白くなっているなどの症状が見られたら、すぐにご相談ください。またアレルギー反応を起こして顔がはれる場合も有ります。しばらくすると治ることが多いですが、吐き気がある場合や、かゆみがひどい場合は治療を受けた方が良いでしょう。
[自宅での注意点]
ワクチンを接種すれば、すぐに免疫が出来るわけではありません。接種後2~3日は安静を心がけ、激しい運動や入浴・シャンプーは控えましょう。
[伝染病の潜伏期期間]
ワクチンを接種する前に、すでに伝染病に感染している場合、ワクチンの効果は間に合いません。通常でもワクチン接種後2~3日は元気・食欲が少し落ちる場合がありますが、あまり容態が悪いときはすでに病気にかかっていた可能性がありますので診察を受けて下さい。