[獣医師]古沢 幸代
続編☆夏の夜の苦手なモノ
先月シニアブログで『花火』『雷』『大雨』などの夜中にわんちゃんたちが怖がるモノについて書かせていただきました。今回はうちの柊がやはり雷の夜にすごく怖がって騒いでいたときにわりと有効だったものがあるのでお知らせです。
8月お盆前だったと思うのですが、大雨雷が夕方から深夜まで続いていた日のこと、仕事で遅くなって11時頃帰宅したら柊が”怖いときの避難所”と彼女が考えている、洗濯機と洗面台の間の隙間に隠れていました。私が帰宅したら出てきてはくれたのですが、ちょっと興奮気味。
だいたいこういうときは深夜まで興奮してワンワンほえ続けていることが多いので、手持ちの精神安定サプリ CALMEXを使ってみました。
本当はストレスのかかるイベントの3日前から投与すべきなのですが、今日は急な雷なので、『特に大きなストレスが予想されるときの投与量』で、大好きな缶詰と一緒に与えてみたところ…
よく効きました!
私の頭の横で、ぬいぐるみに挟まって寝てくれてました。
ちなみに夜中トイレに行って帰ってくると、枕奪われてます。
もちろんサプリだけではなく、しっかり戸締まりして遮光カーテンで雷の光が入らないようにしたり、テレビをすごく小さな音でつけっぱなしにしたりして、なるべく雷刺激の閾値を下げるような対策も他にしてからでしたが、今回は柊にとってひどいストレスにならなかったようだったのでホッと一安心でした。
直方の花火は10月にあるようですが、それ以外にも台風が今からやってきてくる季節なので、またいろいろ対策してみようと思います。またシニア犬の夜泣きのひどいときにもこれらの対策が使えそうな感じですので、それも経過追ってみようと思います。
余談ですが、シニア犬と言えば引退されたイチロー選手の愛犬、一弓くん、だいぶシニアになってましたが2019年に亡くなってましたね TAT
昨日あったマリナーズのセレモニーでイチローさんの2代目の愛犬、姫弓ちゃんと天朗くんが出演してて、それで一弓くんのこと知りました。ながくイチローさん家族に愛されて幸せな人生だったと思われます
こちらは姫弓ちゃんと天朗くん。一弓くんの血縁で、兄妹で飼われているようですね。
お盆のすごし方✿
8月になってまぶしい日差しが続いてますね。そのぶん夕焼けはとても綺麗ですが…
さて、8月のブログテーマ『お盆のすごし方』ですが、うちは3きょうだいがみんなバラバラに住んでいるので(ひとりだけ親と同居)ちょうど仕事の休みがみんな合えば盆に集まって食事や甥姪たちと花火しよっか、となります。合わない場合はそれぞれ帰省して、親と一緒に地元のうなぎ屋さんに食べに行ったり、温泉行ったりとかですかね。
お墓参りも父母実家がかなり遠方なので、そちらに帰省したときしか行きづらいです。
母は信州の山奥の出身なので、子どもたちがするお盆の前準備として山にお花をみつけに行く(花摘みに行く)ことをよく聞いていました。
スーパーやお花屋さんもない昭和初期の山奥ですから(ちなみに今でもスーパーはなさそうです)お墓や仏壇にお供えするお花は頑張って栽培するか、山から採ってくるしかなかったようです。女郎花やススキみたいなのがメインだったようですが、オニユリをみつけた子どもは大手柄でとても褒められたと言ってました。
おととしうちの猫が亡くなって初盆の時にその話を思い出して、お花屋さんでも買ってはきたのですがもうちょっと飾りたいなーと思ったときにふと外でタカサゴユリ(外来種で駆除して増やしてはいけない百合)を見かけると摘んでくるようになりました。
タカサゴユリとその雑種の特徴は、白い百合の中で葉が笹のように細い、花の裏に薄紫の筋がある(雑種だとない場合も)8月に開花する、です。よく高速道路や都市高速の斜面に咲いてます。日本在来種のテッポウユリは5~6月に開花することからも見分けはつきやすいようです。
ちなみに百合は犬にも猫にも食べると急性腎障害を引き起こす可能性があるので、飾るときは犬猫が絶対触れない場所、もしくは部屋を隔離して飾ることをおすすめします。
夏の夜の苦手なモノ
本格的な夏の暑さ到来ですね。シニアの子たちもそうでない子たちも体調管理に気をつけないと行けない季節です。
そんなただでさえ気を遣う夏のシーズンの困りものと言えば、夏の夜の『花火』『雷』『雨と風の音』です。
シニアになってくるとだんだん耳や視力が衰えてくるせいか、若い頃よりもこういう刺激に反応しなくなったよーと聞くこともありますが、逆に感覚が鋭敏になって、一旦これらの音や光に怖がりだしたら落ち着くのにとても時間がかかる子もいます。
まさにうちの柊が年齢が上がるにつれてこれらを怖がるようになってしまったタイプなので、今いろいろやっている『夏の夜の安眠対策法』をちょっとご紹介します。
□音や光が聞こえない環境づくり
住んでいる部屋が近隣の音が響きにくく遮光カーテンもしているので、もともと音や光は聞こえにくい環境ですが、さすがに大雨や雷の時の振動はかすかに聞こえるのでどうしてもそれに反応しているようです…
□音に慣らす
雷や花火の音声、動画を小さな音でくりかえし流して慣らすのは、有効な方法と言われています。(が、柊はテレビから聞こえてくる花火や雷の音声にはまったく反応しないタイプなのでこれもちょっと効き目薄かったです。雷や雨風からくる振動、ドアのガタッと鳴る音などに反応しているようです)
□抗不安サプリメント
(柊が)いつも使っているアンチエイジングのサプリメントの会社さんから去年ストレス緩和サプリのサンプルいただいていたので、ちょっと使ってみました。
ストレス緩和のハーブと、精神安定と不眠用のハーブ(普通にハーブティーとして売られている植物でした)幸せホルモンとも呼ばれているセロトニンを作る原料となるアミノ酸、トリプトファンなどが入ってます。いくらか効いたかなー、と思ったので今年は1箱買い置きしてます。注意書きによれば、雷注意報や花火の3日前くらいから飲ませるのがおすすめです。
□メラトニン(サプリメント)
上記のセロトニンは、夜になると睡眠を促すメラトニンという成分に変化します。
外国ではメラトニンはドラッグストアで240錠入りなどで簡単に手に入るサプリメントです。が、日本では市販されていません。最近では人間の小児の入眠困難の睡眠薬として、医薬品として処方されるようになったようです。
わんこ用には以前から脱毛症の治療として海外輸入して使っていたのですが、最近では老犬の夜泣き、夜寝ない子に他の鎮静剤と併せて処方して反応がよかった経験があります(がっつり鎮静剤に比べて、朝起きた後のふらつきが少なかったとお聞きしてます)
雷の夜にいろいろ試して深夜過ぎまで寝ないときに飲ませたら、わりと効いた感触でした。もっと早く、晩ご飯の時に飲ませておけばよかったと後悔しました。これも今は常備してます。
□よく遊び、しっかり夕ご飯食べさせる
この猛暑ですので、外遊び、長時間の散歩は危険ですが、涼しい室内で、できる範囲で心と体に心地よい疲労を与えるようにしてます。
イギリスのことわざに『A tired dog is a good dog 疲れた犬はいい犬』と言うのがあります。頭と体をめいっぱい使ってしっかりご飯食べてぐっすり眠ることは、問題行動の改善、精神安定には何よりのお薬ですし、人間にとってもわんちゃんにとってもいいことです。
人間でも夜眠れない方には、体の疲労と脳の疲労のバランスをとることを勧められます。体は仕事や家事でくたくたでしょうから、スマホ、TV、パソコン以外でちょっと脳が疲れること、たとえば読書とかをすると眠りやすくなるというのはよく聞きます。
わんちゃんにはおもちゃにおやつを隠して探させたりするノーズワーク用の知的玩具がいろいろ出てますのでぜひチャレンジしてみてください。下の画像は、ホームセンターで売っているおやつを隠せるおもちゃを利用してみました。おやつが欲しくて、おもちゃをいろんな角度から咬んだり転がしたりして遊んでます。
ただし遊びはじめたら逆に興奮してしまうこともありますので、ある程度の時間をかける覚悟で。徹底的に遊んであげましょう。
□安心できる寝場所
コレはしつけ上賛否両論かもしれませんが、基本的には毎晩ベットで一緒に寝るようになりました(9歳くらいまではケージで寝る習慣にしてました)
きっかけは自分がソファーで寝落ちしていて柊も一緒に寝てたときは、雨や風の音を怖がってほえないな、と気づいたからです。ほえるのは床の上にひとりでいるときが圧倒的に多いようです。
今ではベット用のドックステップを購入して、床にLEDのランタン置いて足元が見えやすいようにして、夜いつでもベットに上がれるようにしてます。怖いときは飼い主とぬいぐるみの間にはさまれて寝ているようです。
そして犬も抱き枕は快適なんだなと思いました…
□サプリやいろいろ対策してもだめなとき 鎮静剤
最終的には鎮静剤が必要な子もいると思います。(ただしサプリも鎮静剤も、興奮がひどくなってからの使用では効き目が低いことがよくあります。
けいれんやてんかん発作の頓服などで使用するお薬を、どうしてもの時用に主治医に処方してもらうという手もあります。持病のあるわんちゃんではお薬の使用についての危険性や飲み合わせの問題もあるので、鎮静剤については必ず主治医の診察を受けた上での相談という形になるかと思います。
ちょうどアメリカのお薬のサイトを見ていたら、独立記念日(7/4)の花火対策に!と販売されていたわんちゃん用の鎮静剤がまさにてんかんの頓服として使用するお薬でした…世界中で同じような悩みがあるようですね…
福岡の夏の始まり
今日は博多祇園山笠の追い山でした。コロナ禍で3年ぶりの開催です。このお祭りが終わると本格的な福岡の夏が来た!という感じになります。
直接見に行ってませんが、テレビでライブ中継しているので自宅で見守ってました。
ちなみにスタートは早朝4時59分です。
京都の祇園祭も、博多の祇園山笠も、もともとは疫病退散を願ってのお祭りですので、コロナ感染が少しでも鎮まればいいなと願ってます。
ちなみに今月のブログテーマ、祭りの屋台で必ず訪れる出店は金魚すくいです!みるだけでも楽しい。
猫ちゃんのがん
あまりシニア猫ちゃんに関してのケアや闘病に関しての情報というのが少ないのですが、つい先日、楽天スーパーセールで欲しかった猫のがんの本を購入しましたのでご紹介します。
米国獣医内科学専門医(腫瘍学)の資格を持つ、小林哲也先生の『猫の「がん」』です!
飼い主さん向けの本なのですが、とてもものすごく分かりやすくまとめられていて、獣医師や看護師のがん勉強入門書や、飼い主さん説明の時の参考にしてもいいくらいの本です。
中身をちょっとご紹介↓
2年前に亡くなったうちの子がこの病気でした(TAT)
私もキャットリボン(猫を乳がんから守ろう運動の会)会員なのですが、やはり猫がかかる悪性腫瘍ナンバーワンが乳がんなだけに、乳がんについての説明がかなり詳しいです。
ちなみに本の中では、国内大手の某 動物病理検査センター調べでは、猫のがんは発生率の多い順から
乳がん
リンパ腫
肥満細胞腫
扁平上皮癌
線維肉腫
腺がん・起源不明のがん
腸腺がん
起源不明の肉腫
アポクリン腺腫・腺がん
悪性黒色腫
の順でした。
この中にはしこりが小さなうちに切除することで治る可能性が高まるがんもあります。
ふだんから猫ちゃんとよくスキンシップをとってモフりまくることで、しこりの早期発見につながることがあります。皆さんもぜひ隙があれば猫ちゃん触りまくってください。
雨の日の過ごし方
6月入りましたがまだ夜は寒い日もありますね。今年の蛍たちは大丈夫かしら?と思ってましたが、あちこちで元気に飛ぶ姿を見たという話もよく聞きます。
今月のブログテーマ『雨の日の過ごし方』ですが、お休みの日で雨だったら基本、犬と猫と自宅でごろごろ寝ていることが多いです。あと土埃が立ちにくいのでベランダの掃除も雨の日によくします。
そんな常に出不精の私ですが、ついうっかり大雨ザアザアの日に太宰府の九州国立博物館の北斎展に出かけてしまいました。
母の故郷、信州のお寺の絵が来ているので、母の誕生祝いをかねて行くのの下見(駐車場からの歩きやすさや車椅子の手配できるかとかの確認で)行ったときがびっくりするほどの大雨でした。
大雨の九博
お目当てはこの天井絵(デジタルです)と、御神輿みたいな天井絵♡
そのまま下の太宰府天満宮にもお詣りに行き、裏のトトロのトンネルにも。さすがの大雨で誰もいません。
北斎展は6/12(日曜日)までの開催だそうですが、今日から太宰府天満宮の夏の名物、あじさいの花手水がはじまったようです。わんちゃんと一緒に見に行くなら涼しい雨の日の早朝が狙い目です。ちなみに朝6時半からあいてらっしゃいます…
マイクロチップを入れているペットさんたちへ
6月からペットに関する法律がいくつか変わりますが、マイクロチップを既に入れているペットさんたちに関して5月中に対応した方がいいモノがあります。マイクロチップ登録先の移行手続きです。5月中は無料で今登録してある機関から環境省へ変更してくれます(6月から変更手続きは有料になります)
ネットで下記のサイトから、環境省Hp、QRコードから変更手続きできます。
変更の時に用意しておくのは↓↓
①ご自分のペットのマイクロチップ番号がわかるもの
(ペットショップで購入されたときの書類や、動物病院でマイクロチップ入れた後にもらえるピンク色の書類、もしくはAIPOなど登録団体から送られてきた葉書などにマイクロチップ番号が記載されてます)
②犬のみですが、狂犬病登録票(もしくはその番号がわかる書類、たとえば春に、市町村から送られてくる狂犬病予防注射お知らせの葉書や封筒)
シニアになると散歩中首輪が抜けたり、外飼いの子の脱走などで、認知症がはじまっている子は自宅に戻れなくなることがあります。うちの実家で飼っていた子も一度、昼に庭に出しているときに柵の隙間から脱走したことがあります。両親が探したところ、いつも散歩で行ったことのない離れたとこの溝の中にはまっていたと言っていました。
すぐにみつけることができればいいのですが、思わぬ遠いとこに行ってしまったときや、誰かが保護してくださったときに、絶対外れない迷子札になるのがマイクロチップです。
この機会に一度確認もかねてマイクロチップ書類確認と、お散歩バックなどに常備することをオススメします(うちは混合ワクチン、狂犬病注射済票、マイクロチップ書類のコピーをまとめてジップロックに入れてお散歩バックに入れてます)
蛇足ですが、もしマイクロチップを入れてない方で入れようかな、と思われている方は、6月以降に検討された方が手続きがスムーズになるかもしれません。
好きな魚(・))<<
五月中旬過ぎたのに朝晩寒かったり、逆に昼はとても暑かったり寒暖の差が激しい時期が続きます。皆さん体調壊されてないでしょうか?
今月のブログテーマ 『好きな魚』ですが、私は食べる魚はマグロのトロ以外は全部好物です。
ちなみに食べない魚で好きなのは
3位 ベタ
2位 金魚 :わりと最近までずっと飼ってました。大学時代は下宿で飼ってた金魚を携帯水槽+酸素で準備して、夏休み電車で一緒に帰省しようとしたところを駅で同級生に見つかり爆笑されたことがあります。
1位 シーラカンス:下関水族館に標本がありますので皆さんぜひ見に行ってみてくださいね
↓これはうちのシーラカンスぬいぐるみコレクション(・))<<
シーラカンス知るきっかけになった本。中学校の図書館でみつけたと思います。どうしてももういちど読みたくて、大人になってから本屋で買いました(・))<<
シニアこそ 外部寄生虫予防はしっかりと
この画像 何?と思われたと思います。
実はコレ、私が自宅(折尾のマンション6階の室内)で3月27日に撮影した画像です。
うちの柊の大好きなノミのぬいぐるみと『蚊』です。
やはり九州ですので、気温が上がってくると3月でも室内に蚊が発生します。
皆様よくご存じの通り、犬の心臓に巣喰うフィラリアは蚊が媒介する寄生虫です。
蚊をお住まいの地区で見かけたら、その1ヶ月後にはフィラリア予防を開始しよう!と覚えておくといいと思われます。というわけでうちの柊の今年のフィラリア予防開始は4月27日に決定☆です。
シニアになってくると外出することも少なくなり、室内だけだから予防大丈夫かな?と思ってしまいがちですが、九州は室内でも蚊に刺される地域です。啓蟄が過ぎ、暖かくなってきたらちょっとノミダニフィラリアが危ないかも、と心配してあげた方がいいかもしれません。
ちなみにコレは今年はじめて患者さんから捕獲したマダニです
最近は外の草むらのマダニから、人間にもうつる病気SFTS(重症熱性血小板減少症候群ウイルス)がニュースなどで報告されることもあり、山歩きやキャンプに行かれる方たちも用心するようになってきました。
草に潜むマダニは、動物の呼気などの二酸化炭素を感知して、その横を散歩する犬、猫、人間に飛びついてきて寄生する習性があります。あまり散歩に行かない子でも、ほんのちょっと外に出た瞬間に寄生されることがあります。
実はついこの間、大出血してた癌を輸血後、緊急手術で摘出してほっとした2日後に、患者さんの体にダニがついているのに気づいて青ざめたことがありました。
あんまり動けない老犬ですし、一体どこで寄生されちゃったのかしら…と思っていたら、やはりちょっとだけお外に出たことがあるとのことでした。
整備された歩道などでも、わずかな草むらがあればそこにダニが潜んでいる可能性はあります。また、直方だと森や林のあるところにはイノシシが住み着いてますので(当院の裏手にも8~9頭くらいの群れがいて、車道を歩いているところを遭遇します)それら野生動物や野良猫などが落としていくこともよくあります。
昼間に何もなくきれいな歩道でも、もしかしたら…と、今からの季節は十分ご注意ください。
お花見いろいろ
最近昼間はとても汗ばむ気候になってきました。
うちの犬は短頭種(鼻ペちゃ)なので、GW過ぎたら早朝しか外出しにくくなります。というわけでこの時期は犬連れでよく花見に行きます。
今年も人出が少ない時を狙ってあちこち行ってきました✿
近所の山の神社の桜✿
直方チューリップフェアはじめて行きました!
チューリップの横に桜も菜の花も咲いていてお花見三昧です
実は本院待合室も隠れたお花見スポットです✿
今の時期は藤と新緑がとても綺麗ですよ✿✿